2020年8月16日日曜日

安井裕雄『モネ睡蓮の世界』2


もちろんn°60/W1684のように、「現所在不明」の「睡蓮」もチャンと収められています。n°は安井さんがつけた通し番号――これからはYナンバーと呼ばれることになるにちがいない番号、Wは定番ダニエル・ウィルデンスタインのカタログ・レゾネ番号です。ちなみにこれは、6年ほど前ロンドンのサザビーズにおいて55億円で落札され、話題を呼んだ作品です。
安井さんの解説は簡にして要を得ており、コラムやエピソードも大変おもしろいのです。また巻末には「『睡蓮』国内所蔵美術館一覧」があって、コロナ終息後、モネ睡蓮行脚をしようと思っている方にも便利でしょう。カタログ・レゾネといってもコンパクトですから、これをバッグに入れていけば、行脚はさらに楽しく充実したものになること請け合いです。

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根津美術館「唐絵」6

また島田先生は、「題辞、題詩が単に画図をみた印象、感想を述べるだけでなく、画図の主題と密接な関連があって、 画図の十分な理解のためにはその詩文の解釈が欠かせないとか、題跋の加わることが予期されるというような条件をおくことが必要であろう」と指摘しています。 さらに島田先生は、詩画軸...