2020年7月14日火曜日

七夕8



おもしろい1首といえば、なんと言っても江戸川柳の「秋がわきまず七夕にかわきそめ」でしょう。浜田義一郎編『江戸川柳辞典』には、「秋がわき=かわきは咽喉のかわきのみならず食欲を覚えること。秋になって食欲が増進する。転じてここでは色欲について言う。……人間界でもようやく秋がわきの季節に入って、天上界に負けじと愛のかたらいに励むことだろうと、星を引き合いに出したのがおかしい」とあります(!?) 
とんだ横道にそれてしまいましたが、おそらく「妻迎舟」のような言葉など漢語にはないのでしょう。
中西さんと渡部さんにはじめて教えられましたが、日中で牽牛(彦星)と織女(織姫)の求愛行動が逆転してしまっているのです。実におもしろいじゃ~ありませんか!! おそらくここには、早く父系社会に入った中国と、遅くまで母系社会の伝統を保ち続けていた日本の違いが反映しているんだと思います。けっして異性に対する積極性が、日中で異なっているというわけじゃ~ないと思いますよ() 


0 件のコメント:

コメントを投稿

東京都美術館「田中一村展」10

  代表作の「アダンの海辺」と「不喰芋と蘇鉄」(ともに個人蔵)は、一見眼に美しい華麗なる装飾絵画、あるいは染物や織物のような応用美術にも見えますが、それらから画然と区別し、一村その人の表現に昇華させているのは、微光感覚にほかなりません。アダンの背後、不喰芋の彼方、蘇鉄のしりえに広...