2020年4月25日土曜日

国立新美術館「古典×現代2020」5



薬師如来の仏師も、円空も、棚田さんもみんな木目の素晴らしさに魅了されています。それだけではありません。大地から天に向かって伸びていく木の生命力、さらにいえば木の聖性に魅了されています。あるいは、畏怖を感じているといった方が正しいかもしれません。

とくにそれは、円空仏と比較するとよく分かります。円空仏も棚田彫刻も、台座から一本の木で彫り上げたものが多いのです。真の意味で一木造りであり、そこには樹木に対する尊崇の念が存在するといっても過言じゃ~ありません。

棚田さんはこの特別展に向けて、文字通り特別に目玉ともいうべき大きな「宙の像」を彫り上げてくれました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』2

 本邦初の辞典がここに誕生したんです。しかも日本語のあとに、すぐれた英訳がついているから便利です。便利なだけじゃ~ありません。日本語と英語における視覚文化へのアプローチが意外に異なっていることが浮彫りになり、おのずとわが国視覚文化の特質といった問題へ導かれることになります。この質...