2020年2月29日土曜日

お酒をほめる和歌1




 先日、森銑三先生の『偉人暦』から、文政10221日に没した市岡猛彦という尾張藩士を紹介しました。この語学者にして歌人の猛彦は、性酒を好み、「讃酒歌百首」を詠みました。猛彦には、かの万葉酒仙歌人・大伴旅人のDNAが受け継がれているようです。

旅人が詠んだ『万葉集』巻3「酒を讃むるの歌」はわずかに13首、猛彦の100首には及ぶべくもありませんが、やはり天平と江戸における歌のおおらかさには、明らかな違いがあるように思われます。もっとも、この13首を改めて味わうとき、旅人という天平人は酒仙歌人なんかじゃ~なく、アル中歌人というべきではないのかとも思われてきますが……(笑)あるいは泣き上戸だったのかな? 中西進さんの『万葉集<全訳注原文付>』によって、13首すべてをアップしておきましょう。

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