2019年10月21日月曜日

静嘉堂のギンモクセイ2


ギンモクセイの香りはもっと可憐で、自己主張することなく、しっとりと落ち着いた感じがします。それはキンモクセイの花がちょっと毒々しいオレンジ色なのに対し、ギンモクセイの花が、清々しい白ややさしい薄黄色なのとよく似た関係にあります。

僕が愛用する麓次郎氏の『四季の花事典』(八坂書房 1985年)によると、ギンモクセイもキンモクセイも中国から渡来したそうです。もっとも、いつやって来たかはよく分からないそうですが……。

両方を知っている日本人の多くは、ギンモクセイの方を愛するのではないでしょうか。日本人の美意識に、やさしく寄り添ってくれるような感じがします。しかし、キンモクセイに比べると、ギンモクセイに出会うチャンスはあまり多くないようですね。


0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」5

とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛   中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...