さらに、西洋では人間の精神生活にかかわるものを文化と呼ぶという定義にしたがえば、人間の精神生活と深くかかわる不倫は、ズバリ文化であることを『広辞苑』が定義づけてくれていることになります。
僕のおしゃべりトークでは、よく「酒は文化です。『広辞苑』に、人間が自然に手を加えて形成してきた物心両面の成果とありますから、酒が文化であることはおのずから明らかです。実をいうと、僕はお酒が大嫌いです。しかし、文化のもっとも重要な一側面である美術を研究するものとして、飲まざるを得ないのです」――と言って笑いをとります。
たとえ爆笑はとれなくても、いつも聞いている方は、「またやってるわ」とせせら笑ってくれます(!?)
それはともかく、この論法にしたがえば、文化である不倫も行わなければならないということになりますが、僕は厳格な「三無主義者」なので不可能です。三無主義とは、三つのものを絶対に持たないという主義です。それはクルマとスマホと愛人です――これも「またやってるわ」かな?
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