2018年12月26日水曜日

イセ・ベトナム・シンポジウム「現代アートと伝統」20


第三に宗教です。ともに仏教国ですが、大乗仏教が中心を占めるという点で一致しています。ベトナムでは国民の70%が仏教を信仰しているそうですが、それは大乗仏教なのです。上座仏教、つまり小乗仏教も信仰されていますが、ごくわずかです。東南アジアの国ですから、タイやミャンマー、カンボジアなどと同じく、上座仏教が主流を占めるものと僕は思っていましたが、そうではなかったのです。

日本が大乗仏教の国であることは、改めていうまでもありません。同じ仏教でも、大乗仏教と上座仏教は大きく性格が異なるわけですから、これは非常に重要な共通点ということになります。

今回僕がベトナムという国に強く魅了されたのは、あまりにも遠いDNAというよりも、このような社会的や歴史的、文化的背景の類似や類縁のゆえであるように思います。けっしてチャーミングなアオザイのせいじゃーありません()

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』2

 本邦初の辞典がここに誕生したんです。しかも日本語のあとに、すぐれた英訳がついているから便利です。便利なだけじゃ~ありません。日本語と英語における視覚文化へのアプローチが意外に異なっていることが浮彫りになり、おのずとわが国視覚文化の特質といった問題へ導かれることになります。この質...