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2018年5月25日金曜日

出光美術館「宋磁」2


「僕の一点」は、出光美術館が所蔵し、南宋から元時代の龍泉窯で焼かれた「青磁双魚文盤」です。口径13センチほどの小ぶりな盤ですが、これに肴を盛ってやる一杯を想像するだけで、ヨダレが垂れてきます。僕のペトルス・レグート窯ジャンク・ソーサーには、柿ピーかチーカマかイカクンですが、この青磁盤には最高級のアテじゃなければ失礼にあたります。

青木正児先生が「ながまちのながの長崎からすみに熱燗添えて妻の呼ぶ声」と詠んだ長崎のカラスミでしょうか。あるいは、キャビアハウス&プルニエのアルマス・ペルシカスも悪くありません――食ったこともないものを挙げたりするな(!?) 色彩的には、明治33年(1900)創業を誇る門司・枕潮閣で供されるようなふぐの白子がピッタリでしょう。

徳留さんの解説によると、2匹の魚は貼花という貼り付け技法によるもので、宋時代において広く古事に通じる「博古風尚」が尊ばれた時代思潮のなかで、漢時代の双魚文銅盤がモチーフになったものだそうです。中国では手紙のことを古くから「双魚」とか「双鯉」とかいいますから、このようなデザインは、宋代の文人士大夫にもきっと喜ばれたにちがいありません。

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