2017年12月16日土曜日

国立西洋美術館「北斎とジャポニスム」9


馬渕さんが全力を傾けた「北斎とジャポニスム」展なのですから、両者の興味深い比較を「僕の一点」を選ぶべきだったかもしれません。たとえば……

①ポール・セザンヌの「サント・ヴィクトワール山」と北斎の「富嶽三十六景」における連作的性格
②エドガー・ドガの踊り子と『北斎漫画』の力士の酷似するポーズ
③メアリー・カサットの「青い肘掛け椅子に座る少女」と『北斎漫画』の布袋さんの形態と視点の一致
④ファン・ゴッホの「ばら」と北斎の「草花図シリーズ」における共通する共生自然観
⑤ポール・ゴーガンの「三匹の子犬のいる静物」と北斎の『三体画譜』にみるシンプリシティー
⑥クロード・モネの「陽を浴びるポプラ並木」と北斎の「富嶽三十六景」<東海道保土ヶ谷>の遠小近大構図
⑦カミーユ・クローデルの「波」とご存知北斎の「グレート・ウェーブ」の明らかな直接的関係

どれをとっても「僕の一点」にふさわしくないものはありません。しかし「ネコ好き館長」の名に免じて、ふたたびスタンランのネコを取り上げましたこと、悪乗りして「魔王」まで行っちゃったこと、どうぞご寛恕のほど宜しくお願い申し上げます(!?)



0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...