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2017年10月14日土曜日

東京国立博物館「運慶展」4



「僕の一点」は高山寺所蔵の「神鹿」です。もっとも運慶の作品ではなく、運慶の長男に生まれ、明恵上人ゆかりの高山寺とも関係の深かった湛慶の作と考えられています。

鎌倉時代は美術に写実主義を志向した時代であって、その社会的背景として、この時代が実力でのし上がってきた現実主義的な武士の時代であったことが挙げられます。これを僕は「鎌倉リアリズム」と呼んでいます。

リアリズムといっても、かのギュスターブ・クールベが唱えたリアリズムとは別物ですが、鎌倉美術が現実主義的であったことは否定できません。そのような意味で、鎌倉リアリズムと名づけることは間違いじゃないと思います。

もちろん、運慶こそ鎌倉リアリズムの象徴的存在ですが、湛慶の「神鹿」は、それを分かりやすい形で教えてくれる傑作です。それがいかに写実的か、実際の作品を見ていただければ一目瞭然です。もっとも僕が説明すれば、鎌倉リアリズム論に立ってながめるから、そうなっちゃうんだと言われそうですから、ハードカバーのすぐれたカタログから、東京国立博物館・西木政統さんの解説を引用することにしましょう。

 

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