2017年6月4日日曜日

国華「田能村竹田の勝利」とエルヴィス・プレスリー5




第八、文武両道は車の両輪であるのに、最近は武事ばかりが重視され、文事は軽んじられて、武事に携わるものばかりが出世している。文事とは孝悌忠信の道を理解することであり、これがなくして仕官するものは結局立身出世ばかりを考えるようになる。また国主と農民は自分たちの利益ばかりを追い求めているが、そうならないためにも文事学問が必要なのである。

第九、長年由学館に勤めていた伊藤鏡河と古田含章が、この度の騒動に際し、軍事部門に移動させられたが、これでは由学館がますます衰微してしまう。両名に欠点がないわけではないだろうが、私欲のない人間であるから、上役の目ばかりを気にしているものとは比較にならない。よく本心を聞いて用いれば、これほど役に立つものはいない。

0 件のコメント:

コメントを投稿

國華清話会2025年秋季特別鑑賞会3

   「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...