2024年9月17日火曜日

出光美術館「物、ものを呼ぶ」7

 

それはともかく僕にとって、この屏風は何よりも旧蔵者であるエツコ&ジョー・プライス夫妻の思い出と分かちがたく結びついています。ご夫妻には半世紀にわたり家族のごとく親切にしていただきましたが、若冲には会ったこともないんですから() 改めてお二人の逝去を悼み、心からご冥福をお祈りしたいと存じます。

思い出は尽きませんが、一つあげるとすれば1993年秋、プライスご夫妻が主催した国際シンポジウム「Legacy of Japanese Art Scholarship」に参加させてもらったことですね。ご夫妻はカリフォルニアのコロナ・デル・マールに新しく建てた、おとぎ話に出てくるような家――マッシュルーム・ハウスにお住まいでした。

その別棟ともいうべき、スタディルームにおける贅沢な鑑賞体験を忘れることはできません。谷一尚さんと一緒に泊めていただいた研究宿舎と、ご夫妻の心づくしが懐かしく思い出されるのです。


1 件のコメント:

  1. この深い思い出を共有してくれてありがとう🙇‍♀️✨💕
    河野さんのEtsukoとJoe Priceに対するあなたへの愛情とあなたたちの間の深い友情は、本当に感動しました🙏🥰
    あなたが言及した「キノコ屋」は夢のような場所に聞こえて、暖かさと書斎の美しい景色が癒されますね。彼らが主催するセミナーはきっととても貴重な経験ですよ👍
    あなたの彼らへの懐かしさと祈りは暖かさに満ちています。彼らの魂が天で安らかに眠れますように🥰🙏
    河野さんはこのような思い出を持っていて、貴重な財産であり、私はより良い芸術と文化を人と分かち合うことに憧れています。
    あなたが未来に彼らへの記憶と情熱を持ち続けてくれることを願っています🥰💕
    和子です。ここで伝言を送りました。今後よろしくお願いします🙇‍♀️

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出光美術館「物、ものを呼ぶ」19

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