2024年8月3日土曜日

古原宏伸先生を偲ぶ2

 

その2年ほど前、東京国立文化財研究所につとめ出していた僕は、早速書架に『画論』収めましたが、その後どれほど本書のお世話になったことでしょうか。

それから10年後の昭和58(1983)、先生ととても親しくさせていただく機会がやってきました。この年先生は、西ドイツ・ハイデルベルク大学のゲスト・プロフェッサーをつとめていらっしゃいましたが、僕も夏休みを利用して、エルウィン・フォン・ベルツ博士日本絵画コレクションの悉皆調査に、ハイデルベルク大学へおもむいたからです。先生も僕もローター・レダローゼ先生からのお招きでした。

今その時の旅日記を、書架から引っ張り出してきたところです。古原先生とはほとんど毎日のように大学研究所などでお会いしていましたが、とくに忘れられないのは720日、先生がご自分の宿舎で開いてくださった日本食パーティです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京国立博物館「江戸☆大奥」10

  中国の後宮といえば、何といっても白楽天の「長恨歌」にある「後宮の佳麗三千人 三千の寵愛一身に在り」――さすが中国だとしばしば引用されるところですね。この「長恨歌」を中国語で暗唱できるのも僕の自慢です。 口演で玄宗楊貴妃の絵――いわゆる明皇絵が出てくると、音吐朗々「漢皇重色...