2024年6月24日月曜日

太田記念美術館「国芳の団扇絵」9

 

娘とネコといえば、思い出すのは「引越の跡から娘猫を抱き」という江戸川柳ですね。これは引越しの際、大八車を押したり引いたり大忙しの親と、自分の可愛がるネコしか眼中にない娘のコントラストをユーモラスに詠んだ一首です。かつて葛飾北斎の転居問題を考えたとき、江戸の引越し風景をよく表わす川柳としてこれを引用したことがあるんです。

しかし同じネコ好きでも男になると、家庭問題に発展しそうです。「猫好きも男の方は金がいり」となるからです。浜田義一郎先生によれば、「男の好く猫は芸者で、猫の皮で張った三味線をひくことから来た異名である。この猫を飼うには、魚のあらや残飯ではすまないのだ」ということになります。しかしお言葉ですが、「CIAOちゅ~るグルメ」を食べ慣れているキョウビのネコは、魚のあらや残飯なんて見向きもしませんよ()

0 件のコメント:

コメントを投稿

山種美術館「桜さくらSAKURA2025」7

今回は奥村土牛の傑作「醍醐」がポスターのメインイメージに選ばれ、目玉にもなっているので、とくに土牛芸術に力を入れてしゃべりました。もちろん大好きな画家でもあるからです。 遅咲きの画家といわれる土牛は、一歩一歩着実に独自の土牛様式を創り上げていきました。人の真似できない真なる創造的...