2023年9月15日金曜日

サントリー美術館「虫めづる日本の人々」2

古くから日本美術では、虫は重要なモチーフでした。現代において昆虫と分類されるものだけでなく、蜘蛛や蛙、蛇などのうごめく小さな生き物たちも虫として親しまれ、物語や和歌、様々な美術作品に登場します。……また、草花や虫を描き吉祥を表わす草虫図が中国からもたらされ、中世から長く日本で珍重されてきました。江戸時代に入ってからは、本草学の進展と博物学的精神の萌芽によって、多彩な虫の絵が生み出されます。……日本の虫めづる文化は、長きにわたって育まれてきましたが、大衆化が進んだ江戸時代をひとつのピークとすることが出来るでしょう。そこで、本展では主にこの時代に焦点をあて、虫と人との親密な関係を改めて見つめ直します。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」4

   もちろん先史の時代から、わが国は漆の国であった。四柳嘉章氏によれば、福井県若狭町鳥浜貝塚では、縄文時代草創期における漆の木の存在が確認され、北海道函館市垣ノ島B遺跡からは、縄文時代早期における赤色漆塗り糸で髪を束ねた仰臥屈葬遺骨が発掘された。これらはカーボン 14 年代測定...