もっとも、揚補之が松竹梅を一緒に描いた最初の画家ではないようです。愛用する金井紫雲の『東洋画題綜覧』によると、すでに唐の有名な書家・李邕りようが、松竹梅図に6言詩を着賛しているんです。これもマイ戯訳で……。
雪見 楽しみ酒を酌む 寒さ身にしむ独り部屋
氷を割って湯をわかし 茶を煮りゃ部屋も温まる
チョット酔ったらいい気分 子供を呼んで画をひろげ
心ゆったりにこやかに 「松竹梅花」と題を書く
本邦初の辞典がここに誕生したんです。しかも日本語のあとに、すぐれた英訳がついているから便利です。便利なだけじゃ~ありません。日本語と英語における視覚文化へのアプローチが意外に異なっていることが浮彫りになり、おのずとわが国視覚文化の特質といった問題へ導かれることになります。この質...
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