2023年1月12日木曜日

サントリー美術館「京都・智積院の名宝」2

はじめて僕がこのとてつもない絵画世界を目の当たりにして、深く心を動かされるとともに、こういうのを一生メシのタネにするのも悪くないじゃんと思ったのは、昭和41年初夏のことでした。今年は昭和98年ですから()もう57年前のことになります。

その後、京都国立博物館や養源院に観覧や調査で出向いたとき、時間があれば智積院に寄って、大書院の廊下に腰をおろして、あるいは宝物館でぼんやりとこれをながめることもありましたが、忘れられないのは、名古屋大学時代、学生との研修旅行で宿坊智積院会館に泊めてもらったときのことです。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

根津美術館「唐絵」8

   その山水はいわゆる辺角の景という構図になっています。画面の左上から右下に対角線を一本引いて、その左下に近景を描き、右上の余白に遠景を添えて遠近感を視覚化させています。 このような辺角の景は、中国・南宋時代の画院画家である馬遠や夏珪が好んで用いた構図法でした。ですから馬の...