山口さんは年少の田沼さんをヒイキにしていた。田沼さんぐらい、大家ぶらない、芸術家ぶらないカメラマンはいないのではないか、と思っていた。田沼さんの写真には何か詠み人知らず、といったような趣があると言ったのは山口さんである。これは田沼さんの人と芸術を言い当てて、まさに至言である。
もちろん、肖像写真としてどちらがすぐれているかなどという問題を、ここで議論することはナンセンスでしょう。それぞれ肖像写真として最高の境地に達していて、比較すること自体が間違っていると思います。
その棕櫚が「花木眞寫」に見出されることは、何と興味深いことだろうか。言うまでもなく「花木眞寫」は、豫樂院近衛家熙 (一六六七 ~ 一七三六)の筆になる植物寫生圖巻である。すでに源豊宗・北村四郎編『近衞豫樂院御畫 花木眞寫』(淡交社 一九七三年)が あつて 、私たちは大きな恩...
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