山根有三先生が主宰する近世絵画研究会が、『琳派絵画全集』編集のため根津美術館の琳派コレクションを調査させてもらい、この屏風を<発見>して驚いたのは1974年夏のことでした。
僕もその末席に連なり、一瞬にして暑さを忘れたことはよく覚えていますが、生きている間に国の重要文化財に指定されようとは、夢にも思いませんでした。この間における急激な其一再評価の高まりを物語るものにほかなりません。
今回の特別展をコーディネートしたのは、すでに登場してもらったことがある野口剛さんです。これは野口其一展だといっても過言ではないでしょう。つまり、野口さんの研究がまずあって初めて出来上がった展覧会なのです。
0 件のコメント:
コメントを投稿