たとえば入矢義高先生は、この転句――第三句が宋時代の詩人、柳永の詞「雨霖鈴」から「今宵酒醒何処 楊柳岸 暁風残月」を借りたものであると指摘しています。
もっとも僕は、この七言絶句を詠む玉堂の胸底にイメージされていたのは、むしろ有名な杜甫の「曲江」ではなかったかと疑っているんです。お酒を中心に、春、水辺、蝶々と、両者のモチーフがとてもよく重なり合うからです――というようなことを、マイエッセー「玉堂と酒」には書いたんです。
ヤジ「かの吉川幸次郎先生が、その学殖をたたえて止まなかった入矢義高先生の説に異を立てるなんて、オマエも酔払いながら書いたんだろう!!」
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