武田さんから解説を受けたあと、雪に埋もれた越後湯沢の旅籠屋[はたごや]で、白瀧酒造の絶品「湊屋藤助」を酌み交わしたことも、昨日のことのようによみがえってきますが、その後、年賀状の交換だけになっていたことが、今となっては心底悔やまれます。
京都からふるさと越後へ帰る画家・五十嵐浚明のため、ハナムケの一図を描くことになった22歳の池大雅は、盛唐・王維が詠んだ送別詩の傑作七言絶句「元二の安西に使いするを送る」をライトモチーフにすることを思いつき、それに勝るとも劣らなぬ視覚的傑作を生みだしたのでした。中国語の暗唱に続けてマイ戯訳を、天上の武田さんに捧げたいと思います。
渭城そぼ降る朝の雨 濡れて立たない土ぼこり
旅籠屋あたりも清く澄み 柳の緑は生き返る
「遠慮しないでもう一杯 さぁ武田君やってくれ!!
陽関 越えて西ゆけば 飲み友達もいないから」
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