2021年1月18日月曜日

コロナ短歌2


新型コロナウイルスの感染が最初に中国で確認されてから約半年。私たちの暮らしにどのような影響を及ぼしたのか。毎週日曜朝刊の朝日俳壇・歌壇に掲載された俳句と短歌を通してたどり、8人の選者に作品を寄せてもらった。

朝日俳壇に初めてコロナ禍の句が載ったのは210日。短歌はその翌週だった。どちらも題材は、入手困難な状況が続くマスクだった。

   旅人の如くマスクを探しけり              斎藤紀子

   薬局のマスクの棚の空白に薄き不安が積もりてゆけり   水谷実穂

  人々の表情や視線は次第にとげとげしさを増す。

   マスクして徒[ただ]ならぬ世に出てゆけり        縣展子

   咳をしたら人目                    中村幸平

   咳をする静まり返るバスの中「花粉症です」被告のごとし 和田順子

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

室町のネコ絵3

  この座屏を最初に『日本美術絵画全集 9  狩野永徳 / 光信』(集英社  1978 年)で紹介された土居次義先生は、一方を「呂洞賓・鍾離権図」とし、もう一方はとくに言及されませんでした。その後、不詳の方は「黄石谷・張良図」である可能性が高いとされ、これが通説になってきました。...