ついに1500号に達した『國華』は、「日本・東洋美術の伝統」という記念特輯号として編輯されました。まず辻惟雄さんの「日本美術の特質について――かざり、あそび、アニミズム」と、高階秀爾さんの「『源氏物語』の女たち」という巻頭論文から始まります。我らが美術史界の重鎮――というより、現在も日本美術史界のオピニオン・リーダーであり続けるお二人は、『國華』の編輯委員としても長い間活躍されました。
これに続いて、10人の編輯委員がそれぞれ、随論や作品解説を寄稿しています。「随論」というのは、70年にわたって『國華』編輯にたずさわり、現在の『國華』に育て上げた水尾比呂志さんが、随筆と論文を綯い交ぜにした文章に名づけたもので、僕もよく使わせてもらっています。
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