すぐれた若き研究者五人が選らんだ作品は十六世紀から十八世紀にわたり、また実証方法や個別的関心の向け方、また理論化のベクトルも異なるようである。しかし、我が国独自の画面形式ともいうべき屏風、一種特徴的な様式を有する屏風絵に対する強い興味が、通奏低音のごとく流れているのを聞くことができよう。この特輯号が、屏風絵研究に新しい地平を拓くことを願ってやまない。
以上が、『國華』<1480>特輯号「屏風絵新考」のために僕が書いた序文です。ちょっと加筆してありますが……。そのあとすぐ、畏友・榊原悟さんから、『屏風と日本人』(敬文舎 2018)という大著をいただきました。腰巻には、「榊原美術史学の最高傑作、誕生‼」とあります。しかも書き下ろしで607ページです‼ 榊原さんは僕より5歳若いだけ、もう想像を絶する絶倫ぶりです‼ そのうち機会を改めて、紹介させてもらうことにしましょう。
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