十二月七日 よく晴れて今日も暖なり。晡下(午後4時過ぎ)大石病院に徃き、日常の消化剤を求め、再び街路に出ずるに、短き日は早くも暮れ果て、十日過の月空に浮びたり。土州橋を渡り、箱崎町に立並びたる倉庫の間のさびしき道を歩み、高尾稲荷の祠前に出ず。いと狭き境内に、何やら青き色したる自然石の碑あり。あたり暗くして碑文は読み難し。御手洗の柱に木札を打付け「高尾櫛は大阪屋酒店にて一枚金弐拾銭にて御配布致します」とかきたり。石の鳥居前の小径は、直に新堀の河岸通なる豊海橋のほとりに通ずるなり。豊海橋鉄骨の間より、斜に永代橋と佐賀町辺の燈火を見渡す景色、今宵は明月の光を得て、白昼に見るよりも稍画趣あり。
2019年1月17日木曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
根津美術館「唐絵」5
とくに応永年間、熱狂的 に愛好されたので、応永詩画軸 などと呼ばれることもあります。 詩画軸のことを勉強するときには、必ず『禅林画賛 中世水墨画を読む』 ( 毎日新聞社 ) という本を手元に置かなければなりません。そして監修者である島田修二郎先生の論文「室町時代の詩画軸につい...

-
柳孝一さんが 1 月 17 日にお亡くなりになりました。享年 56 、あまりにも若すぎます。心からご逝去を悼むとともに、ご冥福を深くお祈り申し上げます。 柳孝一さんは日本を代表する慧眼の古美術商として、早くから美術業界でその名を知られてきました。いや、古美術ばかりでなく...
-
高階秀爾先生が10月17日、 92 年の超人的生涯を終え白玉楼中の人となられました。ご逝去を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます。 一人の人間が、これほどの質量を兼ね備えた仕事を一生の間になし得るものでしょうか。しかも特定のジャンルに限定されることはありませんでした...
-
もちろん雅文化であるクラシック音楽に、造詣が深かったことは言うまでもありません。ハープ奏者として活躍している摩寿 ( 数 ) 意英子さんは、高階先生と何度も一緒にお仕事をされたそうです。 その摩寿意さんが、先日僕の「追悼 高階秀爾先生」に、先生が音楽にも大変お詳しいことに...
0 件のコメント:
コメントを投稿