2017年8月19日土曜日

天羽直之さんと百目鬼恭三郎2


僕も天羽さんに惹かれた一人、想い出は尽きません。とくに仕事の打ち合わせと称する酒席と、清話会特別鑑賞会の斥候役や挨拶を兼ねた事前旅行は深く心に刻まれています。それは秋田から博多に及びました。こういう時に、歌舞伎から現代文学まで広い教養を身につけた天羽さんからは、いろんなことを教えてもらいました。

たとえば、「サイデンステッカーは中国の音楽と日本の哲学ほどつまらないものはないと言っている」というのがあります。日本の哲学といっても、近代哲学のことじゃないかなぁと思いますが……。天羽さんが最高の一句とするのは、高浜虚子の「去年今年貫く棒の如きもの」でした。その理由を聞いていると、何でこれがいいのかそれまで分からなかった僕も、やはり名句なんだなぁとはじめて腑に落ちたことでした。

また「大宅壮一は日本の四大権威として、東大、朝日、岩波、NHKを挙げた」とも教えてくれました。僕的にいえば、現在前の三つの権威は地に落ちてしまいましたが、NHKだけは今も我が国のオーソリティであり続けています。

その理由は、NHKがエリートではなく、広く国民市民を相手にしているためであるというのが見立てです。時々おしゃべりトークで大宅四大権威説を取り上げて解説を加え、時間稼ぎをしているのですが、こういうことができるのもひとえに天羽さんのお陰です(!?

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