2017年4月18日火曜日

奈良国立博物館「快慶展」10


地蔵菩薩は釈迦の入滅後、弥勒仏が出現するまでのあいだ、無仏の世界にあって衆生を教化救済するという菩薩です。言うまでもなくインドで生まれ、中国を通して我が国へ伝えられた仏さんであり、成人として造形されるのが常でした。それが我が国で小僧姿の地蔵――小僧地蔵になって流布したことには、日本文化のある性格を見出すことができるのではないでしょうか。

もっとも、ネット検索で知ったのですが、清水邦彦さんという方の神奈川大学博士論文「日本に於ける地蔵信仰の展開――祖師から民衆まで」によると、中国にも小僧地蔵は存在するそうです。しかし、たとえそれが我が国の小僧地蔵と関係するとしても、中国でも日本と同じように小僧地蔵が愛好され、一般化しているのでしょうか。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿

國華清話会2025年秋季特別鑑賞会3

   「僕の一点」は吉澤雪庵の「寒山拾得図」ですね。大きな絹本の掛幅 画 です。 右側の拾得 は岩を硯にして墨を摺り、左側の寒山は筆を右手に持って岸壁に文字を書こうとしています。拾得の後には、チョット羅漢のように見える豊干禅師が座って寒山の方を見ています。これを見てすぐ思い出すの...