高山接碧海 高き山すそ野は続く青海へ
居処坐書城 居る部屋は牛汗充棟そこに座す
翰墨生花筆 翰[ふで]と墨生み出すみごとなカリグラフィー
教席鶴髪童 教壇に立つは鶴髪童顔の……
授知得快著 授ける知さらにすぐれた本を書く
栄辱釈迷津 栄[は]えも毀[き]も乗り越え迷界解き明かす
休退身猶健 休退というけど体はなお壮健
賛君脚不停 賛[たた]えたい君の歩みの止まぬこと
もっとも明治 40 年( 1907 )第 1 回文展には出品していますから、このころまでは会場芸術への色気というか、意欲もあったのでしょう。しかし突きつけられた「落選」という結果が、英朋に引導を渡すことになったにちがいありません。このようなサッパリとした江戸っ子気質も、「最後の浮...