2019年11月8日金曜日

パナソニック汐留美術館「デュフィ展」3



 「僕の一点」は「赤いヴァイオリン」(1946年)ですね。ヴァイオリンのフォルムを愛して止まなかったデュフィが、それをモチーフにしながら、奏でられる音楽の楽譜を添えて、もうデュフィ以外の何ものでもない絵画空間を創り出しています。

赤い背景ーー右の方にちょっとライトブルーがかれられていますーーはカーテンのイメージなのでしょうか、あるいは抽象的空間なのでしょうか、そこにテキスタイル・デザイン風の黒い輪郭線でかたどられた葉がリズミカルに散されています。

キャプションを読むと、こういうのを「調性画法」というそうです。もっとも英語ではtonal paintingとなっていましたから、日本人には「音色[おんしょく]画法」とか「色調画法」という方が分かりやすいかもしれませんね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...