2024年4月22日月曜日

NHK日曜美術館「富岡鉄斎」

 

NHK日曜美術館「老いるほどに輝く~最後の文人画家・富岡鉄斎~」4月28日 9:00~

 京都国立近代美術館で「没後100年 富岡鉄斎」展が始まりました。これに合わせNHK日曜美術館で上記のごとき放映があります。饒舌館長もチョット老顔を出すはずです(⁉) 

渡辺浩『日本思想史と現在』9

 

本書を読んで「思想史はこんなに面白い!」と感じたら、渡辺浩さんのデビュー研究書『近世日本社会と宋学』(東京大学出版会 1960年)に挑戦してみたらいかがでしょうか。これがあって初めて、『日本思想史と現在』のような本が書けるんだと腑に落ちることでしょう。

僕にとっては、それまでの単純な朱子学の日本展開論を根底から突き崩してくれた一書でした。それとともに、渡辺さんの朱子学展開論と我が文人画の私的理解との間に、パラレルな関係が成立するように思われて、とてもうれしくなったことを思い出します。


2024年4月21日日曜日

出光美術館・門司「茶の湯の意匠」

 

出光美術館・門司「茶の湯の意匠――春から夏へ」<623日まで>

 茶道具にうつる意匠を通して、春から夏への移り行きを感じていただこうという企画展です。「僕の一点」は相阿弥の「山水図」――図上に34歳で没した五山僧・彦龍周興が七言絶句の賛を寄せています。オープニングの夜、銘酒「池亀」を堪能したあと、ホテルに帰ってさっそく戯訳を作ってみました。翌日は宗像大社に参拝、田心姫命たごりひめのみことと、去年歳暮急逝された出光昭介前館長にこの戯訳を捧げたことでした。

  衡・恒・泰・華の四山が 東西南北 守ってる

  他にも名山ありますが 最も廬山が尊貴なり

  峰より落つる大滝の 前に数本 生える松

  かつて李白が住んでいた 岩屋の跡も描かれてる

2024年4月20日土曜日

渡辺浩『日本思想史と現在』8

 

渡辺浩さんの『日本思想史と現在』というタイトルはチョッと取つきにくいかもしれませんが、読み始めればそんなことはありません。先にあげた「国号考」の目から鱗、「John Mountpaddy先生はどこに」のユーモア、丸山真男先生のギョッとするような言葉「学問は野暮なものです」などなど、拾い読みするだけでも楽しくなりますよ。コシマキにあるとおり、「思想史はこんなに面白い!」となること請け合い、絶対おススメの一書です。

先に渡辺史学の特徴を、「洋の東西を自由に行き来する広やかな視覚」と書きました。それはなによりも、洋風画家・川原慶賀の「農夫図」をフィーチャーした、日本思想史の本とは思えない新鮮な表紙カバーに象徴されています。


2024年4月19日金曜日

渡辺浩『日本思想史と現在』7

しかし渡辺浩さんは、先行研究が指摘した二つの点について、高橋博巳さんの見解が示されていないことが、やや残念だとしています。その先行研究というのは、大森映子さんの『お家相続 大名家の苦闘』(角川選書)と島尾新さんの『水墨画入門』(岩波新書)です。

僕も読んだ『お家相続 大名家の苦闘』が、浦上玉堂研究の資料として使えるとは夢にも思いませんでした。また政治思想史研究者の渡辺さんが、『水墨画入門』のような美術史本もお読みになっていらっしゃることに心を打たれました。両書ともすでに「饒舌館長ブログ」で取り上げたことがあるので、とくに興味を引いたのですが、いつか高橋さんにお会いする機会があったら、直接お考えを聞いてみることにしましょう。

 

2024年4月18日木曜日

渡辺浩『日本思想史と現在』6

 

一般的なくくりでは比較思想史ということになるのかもしれませんが、渡辺さんの思考方法は、もっと能動的です。所与のものを単純に比較するのではありません。例えば纏足を論じながら、話はコルセットへ向うのですが、そこにはある必然がチャンと用意されているんです。起承転結というか、展開のさせ方がとてもうまいんです。だからこそ、そのアイロニーを論じなかった坂元ひろ子さんへの批判に説得力が生まれるんです。

 渡辺浩さんは近世日本の漢詩文を専門とする高橋博巳さんの至芸に、オマージュを捧げています。また高橋さんの旅や人生が浦上玉堂のそれに重ね合わされ、相対化され対比されていることをたたえています。


2024年4月17日水曜日

渡辺浩『日本思想史と現在』5

その先は本書をお読みいただきたいと思いますが、このような大問題を論じながら、得もいわれぬユーモアを感じさせるところがすごい!! 我々が「みずほびと」になったら、「日本銀行」は「みずほ銀行」となって大混乱に陥る――真面目な渡辺浩さんが真顔でおっしゃるから可笑しいんです。これは新しい超日本人論だ!!というのが僕の読後感でした。

坂元ひろ子さんの『中国民族主義の神話――人種・身体・ジェンダー』(岩波書店 2004年)に対する書評「コルセットはいかが」も、渡辺浩さんの面目躍如たる一節です。それは「面白い本をお勧めする」のなかにあります。

 

NHK日曜美術館「富岡鉄斎」

  NHK日曜美術館「老いるほどに輝く~最後の文人画家・富岡鉄斎~」4月28日 9:00~  京都国立近代美術館で「没後100年 富岡鉄斎」展が始まりました。これに合わせNHK日曜美術館で上記のごとき放映があります。饒舌館長もチョット老顔を出すはずです(⁉)