2024年2月12日月曜日

あつぎ郷土博物館「渡辺崋山口演」13

 

もちろん崋山もソク快諾、3人で出かけると「雨降晴雪」「仮屋喚渡」「相河清流」「菅廟驟雨」「熊林暁烏」「桐堤賞月」を「写真」したのでした。そして翌日、崋山は鐘助の求めに応じ、これを浄写して贈ったのです。

この浄写本は戦前まで伝えられてきたことが確認されるのですが、その後行方不明になってしまいました。ところが畏友・古田亮さんが、ハーバード大学美術館に収蔵されていることを発見し、2017年『國華』1457号に発表してくれたんです。最初に古田さんからこの大発見を聞いたとき、「ホンマかいな」と驚いたものでした。古田さんが指摘するとおり、崋山における真景図と文学的趣向を考える上で、きわめて重要な連作なのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「トプカプ・出光競演展」2

  一方、出光美術館も中国・明時代を中心に、皇帝・宮廷用に焼かれた官窯作品や江戸時代に海外へ輸出された陶磁器を有しており、中にはトプカプ宮殿博物館の作品の類品も知られています。  日本とトルコ共和国が外交関係を樹立して 100 周年を迎えた本年、両国の友好を記念し、トプカプ宮...