「僕の一点」は「煎茶碗」6口(個人蔵)ですね。一碗一碗違う釉調と文様の磁器煎茶碗6口で、ワンセットになっています。5口は木米製ですが、1口は兄弟弟子ともいうべき永楽保全が補ったものです。木米の手になるのは、金襴手花鳥文碗、瑠璃釉金彩唐草文碗、染付松竹梅文碗、黄釉龍文碗、紫釉雲鶴文碗です。
これに保全が柿釉素文碗を補ったことが、彼の箱書きによって分かります。保全が文様を加えず素文にしたのは、木米に対する謙譲の気持からだったでしょう。
木米碗の文様は、木米の古陶磁図録『磁器叢』に近似するものが見出されるそうです。もっとも『磁器叢』は永井幾麻という日本画家による写本しか伝わらないようですが……。
0 件のコメント:
コメントを投稿