お手紙を読みながら、武田さんに対する尊敬の念が改めて高まるとともに、目頭が熱くなるのを禁じえませんでした。
蘭さんはこの授賞式に武田さんの代わりに、いや、武田さんの魂魄とともに臨まれました。それを事前に聞いていた僕は、どうしても鹿島美術財団美術講演会のあと駆けつけて、蘭さんに心からお悔やみの言葉と、生前受けた学恩への真率なる感謝を直接捧げたかったのです。しかし遺影をいだく蘭さんを前にすると、言葉が詰まってしまい、気持ちの半分もうまく伝えることができませんでした。
サントリー美術館「NEGORO 根来 赤と黒のうるし」< 2026 年 1 月 12 日まで> 私たちは根来塗の単純明快なるフォルムを愛しいとおしんできました。朱漆と黒漆のハーモニーに魅了されてきました。風化と手擦れが視覚化する時間の流れに深い感銘を覚えてきました。このような...
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