2022年11月14日月曜日

繭山龍泉堂「唐三彩」16

 

だからこそ、近代に入って不定形釉を最大の美質とする唐三彩に出会ったとき、日本人はただちに、そして鋭敏に反応することができたのではないでしょうか。それこそが日本に多くのすぐれた唐三彩が集まり、現在へ伝えられてきた理由だと思うのです――やはり独断と偏見、妄想と暴走かな()

繭山龍泉堂唐三彩展の会場をめぐりながら、僕は我が古墳時代の埴輪を思い出していました。最初にあげた文献にもあるように、おもに唐三彩は明器めいきであったと考えられています。明器とは中国で死者と一緒に埋める副葬品をいいます。ただし明器の目的は、時代により少しずつ変化したようですが……。

0 件のコメント:

コメントを投稿

サントリー美術館「NEGORO」2

    そのカタログから「ごあいさつ」を掲げて、 根来塗のあらあらと 展覧会の趣旨を知ることにしましょう。   「根 来 」は一般的に、下地を施した木地に黒漆塗りし、朱漆を上塗りした朱漆塗漆器( 朱漆器ともいう) を指します。 おおらかで明快な姿かたちに加えて、長年の使用により表...