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2023年2月14日火曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演10

 

答はズバリ、黄瀬川から見た富士で間違いないというものでした。これによって、絶対とはいえないかもしれませんが、岡持が見た直武の富士山図と秋田県立近代美術館本が同一の作品である可能性はグッと高まったのです。

畠掘さんのほかにも、いまだ疫病おさまらぬなか、たくさんの知人友人の方々が聴きに来てくださいました。皆さんありがとう!! なかにはジャスト3時に、饒舌館長の口演だけを聴きに来てくれた方もいらっしゃいました。お陰で空席もほとんどなくなったような気がしましたが、「人間はものを見たいように見る」というヤツかな()


2023年2月13日月曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演9

 


もう一つは、これまた饒舌館長ベスト10に選んだ小田野直武の「富嶽図」(秋田県立近代美術館蔵)についてです。この富士山は黄瀬川きせがわからみた景だということになっています。手柄岡持てがらのおかもちが『寛政6年京都へ御使に登りし日記』に、黄瀬川から見た富士山を直武が洋風に描いて見せてくれたといった趣旨のことを書き残しているからです。狂歌師として有名な岡持は、もともと秋田藩江戸留守居役で、本名は平沢常富といいました。

しかし岡持が見たという直武の富士山図と、いま秋田県立近代美術館コレクションとなっている「富嶽図」が同じものかどうか、確証はありません。そこで畠掘さんに、秋田県立近代美術館本が黄瀬川から見た富士といえるかどうか、質問してみたんです。

2023年2月12日日曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演8

終ったあと、親しくお話しする機会があり、二つの点について畠掘さんの意見をうかがってみました。一つは今回マイベスト10の一つにも選んだ与謝蕪村筆「富嶽列松図」についてです。かつて僕は、前景の列松について三保の松原だと勝手に思い込んでいました。

しかしその後、静岡県富士山世界遺産センターで展示を拝見していたところ、これは三保の松原ではなく、千本松原とみた方がいいのではないかと思いついたんです。その後この推定を拙文「蕪村横物三部作試論」(『國華』1503号)にも書いてしまいました。この点を畠掘さんに確認すると、確かにその通りだというお答え――僕は「ヤッター」という気分になりました。

 

2023年2月11日土曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演7

今日の研究的収穫はじつに大きいものがありました!! 畠堀操八さんが聞きに来てくださったからです。畠堀さんは富士の村山古道を復元して、現代によみがえらせた富士山のオーソリティです。3年ほど前、畠堀さんの人間的魅力と汗の結晶ともいうべき著書『富士山・村山古道を歩く<新版>』を、「饒舌館長ブログ」で紹介いたしました。もう一度アクセスしていただければ、うれしく存じます。

 畠堀さんはいま「近現代富士山データベース」の構築に、全力で打ち込んでいます。「体力と脳味噌のどちらが先に尽きるか」と冗談を飛ばしながら……。このオーソリティが、一番前の席で饒舌館長の口演を聞いてくださったんです。感激しないはずはありません。 

2023年2月10日金曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演6


はじめに松島さんから饒舌館長の紹介がありましたので、予定の50分でピタッと終了――やんやの喝采のうちに幕を閉じたのでした。あまりにうまくいったので、もうこれからはこのスライドショー方式でやろうと心に決め、そのあと松島さんの解説を聞きながら、別室の企画展を拝見しました。大いにしゃべり、勉強もしたせいでしょうか、帰宅してやった長崎佐世保・潜龍酒造の濁り酒「白星」が五臓六腑に染み渡ったことでした!! 

現在一般的なこういう濁り酒が、先日アップした吉原宿の名物である山川白酒と同種の酒なのか、あるいは別物なのか、ご存知の方がいらっしゃったら是非お教えくださいませ!! 

 

2023年2月9日木曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演5

 「江戸絵画史の富士山図 饒舌館長ベスト10」となれば、当然ながら谷文晁が登場することになります。そこで今回は静岡県富士山世界遺産センターが所蔵し、展示もされている「富士山図」を選びました。出来映えがすぐれていることはもちろん、享和元年(1801)の年記があり、文晁のお父さんである漢詩人・谷麓谷のすばらしい七言絶句賛が加えられているからです。主催者に対するソンタクも若干あったかな() 麓谷賛の戯訳は配布資料に載せましたが、改めて紹介することにしましょう。

  一夜天功聞古今  神の一夜の創造は 世に知れわたる昔から

  名山高矣太湖深  そびえる富士と 麓なる 大きく深き湖よ!!

  今図岳様臨澄水  今 山容を描かんと 墨 山頂の水で磨りゃ

  定是游山共慰心  登山の思い出よみがえり きっと心も和なごむだろう


 

2023年2月8日水曜日

東京美術俱楽部「富士山 芸術の源泉」口演4

 

しかし今回はPPTのファンクションですから、饒舌館長にソンタクするはずもありません。話の途中であろうと何であろうと、3分経てば次のスライドにいっちゃうんです。もっとも生身のコチトラは3分でピタッと終るはずもなく、どうしても話は次のスライドまで食い込んでしまいます。

すると松島さんが、親切にも手動で前のスライドに戻すので、「絶対に戻さないでください!!」とお願いして、あとは1スライド3分でしゃべりにしゃべりまくりました。途中で持参のミネラルウォータで喉をうるおし、「これはただの水じゃ~ありませんよ。<いいちこ>の水割りです。いや、今日は<黒霧島>だったかな?」というお馴染みのジョークで笑いを取りつつ……。

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」4

   もっとも『肉筆浮世絵大観 3 < 出光美術館 > 』 に解説を担当した大久保純一さんは、 岩田秀行さんの教示に よると礼を尽くしつつ 、先の5代目岩井半四郎を初代岩井紫若 にあてて います。  満月を浮かべる青い夜空、川面に映る 月影や 往来する舟の影、役者や橋杭が地上に作...