140万アクセスを突破しました❣❣❣皆さんありがとうございました❣❣❣

2026年9月30日水曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」4

 

 「僕の一点」は「秋冬花鳥図襖」ですね。素晴らしい桃山障壁画の傑作です。季節は秋から冬、湖水には鴨が楽しそうに泳ぎたわむれており、空からは2羽の雁が舞い降りようとしています。岸辺には4羽の雁がいて、早くおいでよと呼びかけているようです。 

大襖4面を効果的に使って、広やかな空間を創りだしていますが、左側の土坡や大きな檜がその空間をしっかりと支えています。力強く大らかな空間ですが、野放図に広がっていくわけじゃなく、ちょっとソフィストケートされた感じがスゴクいいですね!! 


この襖絵を僕は、毎日新聞社版『在外日本の至宝<障屏画>』(1980年)ではじめて知りました。その解説では筆者を長谷川派の画家にアトリビュートしています。その10年後辻惟雄さんと一緒に、講談社版『日本美術全集15<永徳と障壁画>』(1991年)を編集する機会に恵まれましたが、相談してこの襖絵を本図版として載せることに決めたんです。


2026年9月29日火曜日

ステップス・ギャラリー「a gentle breeze from Shonan 古川巧✖髙橋勉」<10月5日~10日>


 「a gentle breeze from Shonan 古川巧✖髙橋勉」二人展が10月5日から始まります。古川巧さんはこの「饒舌館長ブログ」に何回も登場してもらったと思います。場所は銀座4-4-13 琉映ビル5階にあるステップス・ギャラリーです。5日夕方5時から始まるオープニングセレモニーで、僕もフォークの弾き語りを数曲やらせてもらおうと思っています。押しかけ女房ならぬ押しかけフォークかな( ´艸`) 皆さん、ぜひ押しかけてくださいね❣❣❣ https://stepsgallery.jp/

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」3

 

 

当館の日本コレクションで最も充実しているのが、 江戸時代の品々です。幕政のもとで続いた泰平と繁栄を受けて創造的な 文化が花開いた時代でした。本展もこの時代のものを中心に、大英博物館のコレクションから、歴史的な重要性がひときわ高く、飛び抜けた魅力で目にも鮮やかな約200件を選り抜き、日本の過去と現在の連続性とその変化を考察します。注目すべき展示作品としては、比叡山の猿をユーモラスに愛らしく擬人化した 《猿草子絵巻》 (1560-1570年頃)、1949年の焼損以前に実物大で写された 《法隆寺金堂壁画 九号壁模本》、18世紀後期の革新者・円山応挙が豪華な金屏風に描いた傑作 《虎の子渡し図屏風》、 19世紀末期に英国の外交官アーネスト・サトウが収集した謎の浮世絵師・写楽の錦絵などが並びます。 このまたとない機会を、日本の多くの皆様に楽しんでいただけることを心から願っています。

2026年9月28日月曜日

<寺子屋池上×三遊亭竜楽>実相寺で春画×落語 第2回「恋は色いろ」

 

 「江戸城天守閣を再建する会」の渡辺俊之さんと、江戸文化研究家でFBフレンドのSolaさんに誘われて、楽しい一晩を過ごしました。三遊亭竜楽師匠は5代目三遊亭円楽に入門して真打ちに昇進、海外公演で欧米・中国を中心に65都市をめぐり7ヶ国語で語る国際派落語家です。


10年前、パリ日本文化会館で落語と浮世絵のコラボレーション「落語家/浮世絵・伝統と現代の出会い」を開催して喝采を浴びました。以後、浮世絵落語に取り組み、国内外で公演を重ねていらっしゃいます。


今回も7月7日パリで開いた春画落語公演の愉快な帰朝報告から始まりました。続いて「お菊の皿」、中入りをはさんでSolaさんの「和ごころトーク」、トリは竜楽師匠の「不孝者」――あっという間の2時間半でした。第3回は12月13日、第4回は年明けの2月14日に予定されています❣❣❣

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」2

 


大英博物館は、日本の美術工芸品と考古遺物の広範かつ包括的な収蔵品で世界に知られ、ヨーロッパでは最も充実しており、日本国外でも特に重要なもののひとつとみなされています。日本に由来する品は、当館の礎である1753年設立時点の収蔵品にも含まれていましたが、 数百年のうちに各種分野における日本コレクションが築き上げられ、今日では縄文時代から現代までを網羅する4万点に及ぶ収蔵品を擁するに至りました。 特に、 絵画が日本国外の機関としては稀にみるコレクションとなっており、木版画と工芸品 (陶磁器・漆芸品・金工品・織物) は何世紀にもわたってヨーロッパで名声を博してきました。さらに、考古・宗教・民族学的な資料も充実しています。 歴史的な所蔵品で知られる大英博物館ではありますが、伝統工芸の技を受け継いだ現代作家の作品展示も増えています。

2026年9月27日日曜日

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」1

東京都美術館「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」<10月18日まで>

  いま東京都美術館で「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱 海を越えた江戸絵画」展が開かれていることは、皆さん先刻ご承知でしょう。主催者の朝日新聞が、連日のように紙上紹介を行なっているんですから( ´艸`) まずは238ページ以上ある豪華カタログを開いて、大英博物館館長ニコラス・カリナンさんの「メッセージ」に耳を傾けることにしましょう。簡にして要をえた、大英博物館と日本美術コレクションの紹介になっています。


大英博物館は、 展覧会「大英博物館日本美術コレクション 百花繚乱~海を越えた江戸絵画」を東京都美術館と大阪中之島美術館にて開催できますことを嬉しく存じます。本展は大英博物館と日本の、永きにわたる関係の延長にあります。これまで当館は15以上の展覧会を日本で開催しており、累計来場者数は370万人を超えました。 本展は、 東京都美術館開館 100周年の年に開催される意義深いものでもあります。

2026年9月26日土曜日

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」6


  伊勢地方では、昔松阪町殿町に住んでいた徳川紀州藩士、継松栄治がカワラナデシコ(カラナデシコの誤り?)を栽培していたところ、偶然花弁の長い変種が発現した。これを改良したのが伊勢撫子のはじめと主張する人もある。


 嵐冠十郎が持ち上げているのはイセナデシコじゃ~ありませんが、ネットで調べると、継松栄治は享和3年1803に生まれ、慶応2年1866に没した紀州藩士です。こんな点からも、江戸時代後期にナデシコの栽培が盛んであったことが推測できそうです。


なお2代目中村紫翫が右手にもつ扇子の墨梅図には、文晁の落款が入っています。早くこれを知っていたら、かつてサントリー美術館「谷文晁展」のカタログに書いたエッセー「谷文晁――この絵師何者!? 人気者」にゼッタイ使ったのに!!(´艸`)

2026年9月25日金曜日

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」5

 


「差出し」とは、電気のない時代に用いた花道の俳優を照らすための照明用具です。角形の燭台に長い柄をつけたもので、二人の後見が前後から差し出して照らしました。「面明つらあかり」ともいい、現代でも古風な演出には使われます。かつて何かで見た記憶はありますが、以上は平凡社版『歌舞伎事典』によって書きました。


初代嵐冠十郎が右手で捧げるのはナデシコです。しかしチョッとみると、打ち上げられた花火のようでしょう。両国の花火を本当の花で表現した洒落になっているんです。花火の見立てといってもよいでしょうが、ナデシコの栽培が当時流行っていたこととも無関係ではないように思われます。愛用する麓次郎『四季の花事典』(八坂書房)のイセナデシコの項には、つぎのように書かれています。


2026年9月24日木曜日

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」4


  もっとも『肉筆浮世絵大観3<出光美術館>』に解説を担当した大久保純一さんは、岩田秀行さんの教示によると礼を尽くしつつ、先の5代目岩井半四郎を初代岩井紫若にあてています。

 満月を浮かべる青い夜空、川面に映る月影や往来する舟の影、役者や橋杭が地上に作る影が、現代人の視覚にもよく馴染みますが、これらはみな国芳が所蔵していた西洋画や、洋風画から摂取した描写だったにちがいありません。加えて、さすが戯画の傑作「荷宝蔵にたからぐら壁のむだ書」を遺した国芳だと感じさせる傑作肉筆です。


『肉筆浮世絵大観』の図版では平板にみえますが、ルクスを少し落とした江戸東京博物館の会場では夜景の雰囲気と奥行きがとてもよく感じられ、改めていい絵だなぁと思いながら眺めていました。「差出し」のような効果が、会場では感得できたことも不思議でした。

2026年9月23日水曜日

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」3

 

  「僕の一点」は歌川国芳の「役者夏之夜図」(出光美術館蔵)ですね。日は落ちてもまだ残る暑さを逃れて涼を求め、隅田川は両国橋のたもとに当代人気歌舞伎役者10人が勢ぞろいしています。もちろんこんなことが起こるはずもなく、筆者歌川国芳のイマジネーションが生み出した夢の共演です。この「浮世へのいざない」展も江戸東京博物館と出光美術館の夢の共演ですから、シンボリックな一点といってもよいでしょう(!?)

国芳の彩管になる歌舞伎役者は、右から5代目松本幸四郎、3代目尾上菊五郎、4代目坂東三津五郎、2代目岩井粂三郎、5代目岩井半四郎、7代目市川団十郎、初代嵐冠十郎、初代沢村訥升とつしょう、2代目関三十郎、2代目中村紫翫しかんです。

2026年9月22日火曜日

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」2

 


この二つのテーマに注目する本展覧会は、江戸の活気を余すことなく描き出した国指定重要文化財「江戸名所図屏風」(出光美術館蔵)から説き起こします。日々の生活を存分に謳歌する人々の描写は、まさにこれから誕生しようとする浮世絵を確かに先取りしています。


今回は、出光美術館のコレクションから厳選した肉筆浮世絵に江戸東京博物館が所蔵する版画・版本を加え、浮世絵にとらえられた芝居と遊里の活況を紹介します。絵画と版画という異なる表現技法が見せるそれぞれの魅力、そして、江戸の人々の興味のありようを、すぐれた 作品を通じてご覧いただきます。

2026年9月21日月曜日

江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」1

 


江戸東京博物館「江戸博×出光コレクション初共演 浮世へのいざない」<9月27日まで>


 標記の展覧会が江戸東京博物館で開かれています。前回アップした東京国立博物館「空海と真言の名宝」展で、日本人の現世肯定主義的傾向を指摘しましたが、眉にツバしている方も少なくなかったと思います。そういう方に、とくに観ていただきたいおススメ展ですね!! 「なるほど」と腑に落ちることでしょう。密教と遊里・芝居は通底しているんです(!?) がまずはチラシの案内文から始めましょう。


戦乱の時代を経て、天下泰平の世が長くつづいた江戸時代。およそ二五〇年にわたるその文化の繁栄を象徴するもののひとつが、浮世絵です。「浮世」の絵、つまり、いま現在をとらえる絵画および版画には、それに接する人々の実感を強く揺さぶるような、その時その時に流行した風俗のあらゆる様子が描かれました。そのなかでも、浮世絵が誕生した十七世紀後期から幕末・近代まで絶えず取り上げられてきた主題が芝居と遊里でした。

出光美術館<門司>「水墨画の巨匠たち 雪舟から鉄斎まで」8

  その点で指は「 無用 」ですが、 指は 日々 実際に役立 ち、指がなければ 大典 和尚 もこの賛を書けませんでした。「無用之用」にならっていえば、指は 「有用之無」 だといってもよいでしょう。 「漫 すず ろに相倚る」というの は 、 無用之用と有用之無は 何となく、 仲良く...