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2025年12月7日日曜日

鏑木清方記念美術館「築地明石町」2


有り体に言って、「築地明石町」に匹敵するような英朋の作品は一つもないでしょう。「僕の一点」に選んだ泉鏡花続風流線』の口絵でさえ、「築地明石町」と一緒に論じることは、チョッと清方に礼を失するような感じがします。

  

しかしだからと言って、僕の心のなかで鰭崎英朋の評価が下ることはありませんでした。それはとても不思議な感覚でした。両者とも画家なのに、作品を遠く離れた個人的感情でした。人間の生き方は人それぞれであり、比較などできないのだという思いが、最近とみに強くなってきているからなのでしょう

 

  ヤジ「それは単にオマエが年取ったからに過ぎないじゃないの? そもそもそんなことを言い出したら、美術史なんて成立しないんじゃないの?」 

 

2025年12月6日土曜日

鏑木清方記念美術館「築地明石町」1


鎌倉市立鏑木清方記念美術館「あの人に会える! 清方の代表作<築地明石町>三部作」

 

 11月30日で終わってしまいましたがやはり清方の「築地明石町」はいい絵だなぁと感を深くしました。2019年冬、竹橋の国立近代美術館で44年ぶりにこの「幻の名画」が公開され、話題を集めたときも拝見して、心を洗われるような気持ちになりました。

 

今回改めて、第8回帝展において帝国美術院賞を受賞したという「築地明石町」の前に立ち、日本絵画として最高のクオリティをそなえた作品の一つだと感じ入りました。日本人にそなわる美意識の一つを象徴する絵画だと思いました。日本絵画史上に遺り続ける傑作であることを確信しました。

 

もっとも今回は、7月にアップした最後の浮世絵師・鰭崎英朋ひれざきえいほう――太田記念美術館の特別展で見たその作品と生き方が頭に浮かんできて、どうしても英朋のことを考えないではいられませんでした。  

2025年12月5日金曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」5

 


この長春筆「形見の駒図」は、「世継曽我」の虎御前と化粧坂の少将を、当世風の美人に移し変えて描いた見立て絵ということになります先の山本九兵衛版『世継曽我』の挿絵当世風美人になっているのですが、このような見立てが近松浄瑠璃の「世継曽我」においてすでに完成していることは実に興味深く感じられます 


虎御前と少将は藤末鎌初――藤原時代末・鎌倉時代初めの遊女ですが、「世継曽我」では江戸時代の遊女として登場するです。草創期の歌舞伎を含めて、見立ては浮世絵よりも芸能において先行していて、芸能の趣向を後続の浮世絵が取り入れたことになります。浮世絵が芸能から大きな影響を受けたことは、すでによく知られるところですが、見立て絵の趣向は、直接摂取であったともいえるでしょう 

2025年12月4日木曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」4


  富士の裾野における曽我兄弟敵討ちを主題とする『曽我物語』の後日談ともいうべき内容です。これまた一種の復讐譚ですが、ここに登場するのが十郎された大磯の遊女・虎御前と、五郎思いをかけられた化粧坂けわいざかの遊女・少将で。その化粧坂から曽我の里へ至る二人の道行きが、この画題のもとになっているのです。
 

「世継曽我」のテキストには絵入り本があり、そのなかに道行の場面がありますとくに興味深いのは、早稲田大学図書館所蔵の山本九兵衛版『世継曽我』で、今や早大オープンデータベース(WINE)に全巻公開されています。じつに便利な世の中になったものです――旧世代の研究者には怒られてしまうかもしれませんが( ´艸`) 長春は先行する絵画作品とともに、この挿絵を参考にしたにちがいありません 

2025年12月3日水曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」3


  江戸時代中期に活躍した肉筆浮世絵師・宮川長春の筆になる絶品です。長春は尾張宮川村に生まれ、これを姓にしたと伝えられています。いつのころか長春は江戸に出て、菱川派や懐月堂派、さらに伝統的な土佐派をも学んで、もっぱら肉筆に創造の場を特化しました。やがて豊麗なる肉筆美人画様式をもって一世を風靡、宮川派を形成しました。この画系から勝川春章や、先日すみだ北斎美術館特別展をアップした葛飾北斎が誕生したことも特筆されます。

 「形見の駒図」の出典は、近松門左衛門作の浄瑠璃「世継曽我」に求められます。これは天和3年(1683)9月、京都宇治座で上演された浄瑠璃で、近松作と認定できる浄瑠璃としてはもっとも初期のものだそうです。

2025年12月2日火曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」2

 
 このような静嘉堂の社会的貢献――いまの言葉でいえばメセナとかフィランソロピーという視点も取り入れられています。単なる静嘉堂名品展ではありません。それは中心となってキューレーションを行なった学芸員・吉田恵理さんの功績です。

  「僕の一点」は宮川長春の「形見の駒図」ですね。カタログ表紙にもなっている菊池容斎の傑作「馮昭儀当逸熊図<ふうしょうぎとういつゆうず>」などを差し置いて、どうして宮川長春の「形見の駒図」なのかって? それは2年前僕が『國華』1528号に紹介した作品だからです。

  ヤジ「この前の三井記念美術館『円山応挙展』――山下応挙展のときも、自分が『國華』に紹介した「木賊兎図」を『僕の一点』に選んでいたじゃないか!! もっと多くの美術ファンが興味をもつ作品を選ぶべきだ!! 我田引水や自画自賛もいい加減にしろ!!」

2025年12月1日月曜日

静嘉堂文庫美術館「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」1


静嘉堂文庫美術館「<2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催記念 修理後大公開!>静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」<12月21日まで>

 2022年秋、静嘉堂@丸の内がオープンの運びとなり、ディレクターをつとめていた饒舌館長もいろいろと関連口演をやったものでした。そのときもポストしたように思いますが……。その開館3周年を機に、「静嘉堂の重文・国宝・未来の国宝」展が開かれています。

 これは先日成功裏に終了した日本国際博覧会(大阪・関西万博)を記念する企画展であり、また平成11年(1999)から国庫補助を受けて進めてきた修理事業の成果を披露するプロジェクトでもあるんです。

 静嘉堂文庫を創設した三菱2代社長・岩崎彌之助、それを発展させた三菱4代社長・岩崎小彌太は蒐集につとめるだけでなく、国内外の博覧会に多くのコレクションを積極的に出陳し、また博覧会に際して近代美術の創造をサポートすることもありました。



カエルも骸骨も踊り出す サントリー美術館・暁斎ワールドの迷宮へようこそ❣❣❣12

  服部南郭「児の愛する所の猫死す」     長年わが子にな ついてた   子は 焼いて いたキミの世話     少ないおやつを分けてやり   眠るキミ見て安堵した     深き愛ゆえ夢に見て   恩ゆえ埋めるの哀しいと……     だが心配はまたネズミ   傍若無人に今夜から…...