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2021年4月14日水曜日

遠藤湖舟・日々是美的4

 

中国では主虹を「虹」、副虹を「蜺」と書き、前者をオス、後者をメスとしますが、これなども聞一多が教えてくれる中国の虹に対する観念をよく示しています。自然現象に対する心的形象も、我が国は中国からたくさん取り入れましたが、日本人にとって虹はあくまで美しく、しかもはかなく、したがってさらに美しく感じられるものであり、セクシーなものとか、官能的なものとする思想とは無縁だったように思います。

かの曜変天目の「光彩」を、古くは「虹彩」と書きました。この虹彩華やかなる曜変天目が、わが国だけに伝わったもっとも大きな理由は、この「虹」に対する観念の違いによるのではないかという私見については、以前「饒舌館長」にアップしたことがあります。中国陶磁の専門家はみなさん眉にツバをしていますが(笑)

 


2021年4月13日火曜日

遠藤湖舟・日々是美的3

 

この記事を書いていた日の『朝日新聞』夕刊に、「5分間の奇跡 ダブルレインボー」と題して、山本一朗さんという方の第37回「日本の自然」写真コンテストの入選作が掲載されていました。これは奈良の里山にかかったダブルレインボーだそうですが、「朝虹」を拝見した日のシンクロニシティでした。

ダブルレインボーとは、はっきりと見える主虹の外側に、薄く副虹がかかった虹のことです。たいてい虹をよく見ると二重になっているものですが、とくに副虹が美しくかかったものをダブルレインボーというようです。

虹はもっとも美しい自然現象の一つでしょう。しかし中国では、虹を非常にセクシーなものとか、官能的なものとみる思想がありました。聞一多の『中国神話』<東洋文庫497>を読んでいてそれを知ったとき、とても不思議な気がしました。日本にはそんな観念がほとんどないからで、虹を詠んだ和歌をみるとよくわかります。

2021年4月12日月曜日

静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術」2

 

というわけで、今回の展覧会が現在の岡本最後となりますが、「蛍の光」をうたうことは止め、むしろ新ギャラリーへのスタートを記念する「旅立ちの美術 Departure in Arts」として企画し準備いたしました。

旅立ちといえば別れと新しい出会い――これらと呼応する名品傑作のオンパレードです!! これまでの歴史になかった斬新なる表紙で飾られるカタログもおススメ、静嘉堂の名品と歴史がコンパクトにまとめられています。饒舌館長の巻頭エッセー「日本中国絵画史の出会い旅立ち別れの情」が錦上花を添えています() 

悪乗りした饒舌館長は、424日(土)11時から、「出会い旅立ち別れの情――日中絵画の流れから――」なる講演もやるそうです。今回は岡本最後ですので、チョット真面目に「講演」と銘打っていますが、やはりいつもの「口演」となっちゃうかな()

2021年4月11日日曜日

静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術」1

 

静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術 Departure in Arts」<66日まで>

 静嘉堂文庫美術館「旅立ちの美術」展のオープン初日を迎えました。10時の開館前からたくさんの美術ファンが行列をつくってお待ちくださいました。ディレクターとしてこんなうれしいことはありません。

すでに「饒舌館長」にもアップしましたが、静嘉堂文庫美術館は来年202210月、丸の内・明治生命館に新しいギャラリーを開設いたします。昭和の建築としては最初に重要文化財に指定されたのが、建築家・岡田信一郎の傑作とたたえられる明治生命館です。

その1階ホワイエを、最新技術を駆使して面目を一新させ、「曜変天目」や「関屋澪標図屏風」にもっともふさわしい空間をご用意いたします。面積も現在の5割ほど広くなるでしょう。期してお待ちいただきたいと存じます。

2021年4月10日土曜日

遠藤湖舟・日々是美的2

「僕の一点」は、やはり「朝虹」ですね。見たこともない不思議な光景です。青空なのに、虹の内側だけがピンクに染まっているんです。これは虹が朝日を受けたときに時たま起こる自然現象で、現像処理を加えたものではないそうです。しかし僕には、大空に君臨するがごとくにかかった虹が、大きな腕[かいな]で抱え込んだ空間を、みずからの美しさで染め上げようとしているように感じられたのでした。

しかも幸運の象徴といわれるダブルレインボーになっているんです。13日までに玉川高島屋へ足を運び、この「朝虹」を拝めば、きっとグッドデーとともにグッドラックにめぐまれることでしょう。

 

2021年4月9日金曜日

遠藤湖舟・日々是美的1

 

玉川高島屋本館5階アートサロン「遠藤湖舟  日々是美的ーGood Days―」<4月13日まで>

 3年ほど前、写真家・遠藤湖舟さんの個展「<たまがわ>の美。写真空間by遠藤湖舟」を見て、深く心を動かされた僕は、すぐ「饒舌館長」で紹介させてもらいつつ、オマージュを捧げました。写真家としてのチョット変わった略歴は、それをご覧くださいね。

今回の「日々是美的―Good Days―」もすごくいい!! 湖舟さんの明晰なカメラレンズが新しいモチーフを発見し、自然の一瞬を美しい典型に昇華させることを可能ならしめ、富士山のような古典的主題に肉薄して、これまでになかった相貌を現出せしめています。

そして「美は細部に宿る」という湖舟美学が、通奏低音のようにすべての作品に流れています。それはギャラリーへ一歩足を踏み入れた瞬間に、どこからともなく聞こえてくる妙なる通奏低音だといってもよいでしょう。

2021年4月8日木曜日

三谷幸喜さんと銭湯10

 

 その伝統的な要素として、植物的な食体系、柱立ちの建物、卜甲・卜骨、お箸などを挙げたあと、あまり注目されていないものとして、居眠り、肩こりに言及します。そして最後にトイレ羞恥心を指摘し、つぎのように述べています。

トイレに入っているのが恥ずかしいと思うのが日本文化。私の勤め先で、大きい方に入って、終って出ようと思うと人が入ってくる気配がする。恥ずかしくて出られない。これは私だけではないでしょう。ところが中国に行ったらば、トイレの扉がない。扉があっても開けっ放しで平気でいる。これはアメリカの二、三流のデパートでもそうだし、ソ連の空港でもそうだし、ドイツの炭鉱でもそうですね。へだてのない共同便所は、ギリシャ・ローマ以来です。だから、トイレの恥ずかしさも我々の獲得した文化なのです。

絶滅写真作家(!?)杉本博司さんの魅力を改めて感じさせてくれる特別展が竹橋で開催中です!!4

     これも私の嫌いな言葉なのだが、どうやら私は総合芸術とやらを標榜しているようだ。と思った瞬間、いや違うと内なる声が聞こえる。むしろ分散芸術の各メニューが居酒屋 の壁にぶら下がっている、といった感じだろうか。冷奴もあれば、モツ煮もあるし焼き鳥もある。皆美味しく作られている。...