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2021年4月7日水曜日

三谷幸喜さんと銭湯9


 ところがあるとき、埴原和郎編『日本人新起源論』<角川選書202>を読む機会がありました。この本は1989年7月1011日の2日間にわたって、京都大学楽友会館で開催された一般公開セミナー「民族の形成――日本人の場合」の全記録だそうです。

これを読んでいて、俺は異常じゃ~なかったんだ!! 正真正銘の日本人だったからなんだ!! ということが分かってとてもうれしくなり、それからは堂々と個室の出はいりができるようになったんです(!?) 

 僕を勇気づけてくれた研究発表とは、佐原真先生の「考古学から見た日本民族」でした。佐原先生は日本文化の要素を、外来的な要素、伝統的な要素、そして固有に発達した独自的要素の3つに分類します。 

2021年4月6日火曜日

三谷幸喜さんと銭湯8

 

もしそうだとすれば、羞恥心とは学習するものではなく、太古以来DNAのごとく人間に埋め込まれた感情、あるいは本能的なものということになります。この羞恥心自体は生得的なものだという説を認めるとしても、その後の学習によって、民族や国によって差異が生れることはとてもおもしろく感じられます。

小さいときから僕は、二大行為のうちの一つである排泄行為がとても恥ずかしかった。とくに家以外のトイレで、個室に入るのが死ぬほど恥ずかしかったのです。これをトイレ羞恥心と呼ぶならば、こんなにトイレ羞恥心が強い俺はチョットおかしいんじゃないかと思うほどでした。トイレ羞恥心は今でこそずい分と薄れましたが、長い間ずっと強く残っていました。

2021年4月5日月曜日

三谷幸喜さんと銭湯7

しかしこんなことをクダクダしく述べる必要など、毛頭ないのかもしれません。羞恥心が学習によって形成される感情であるということは、人間と動物を比べてみればすぐ分かることだからです。あの二つの行為を、人間はとても恥ずかしく思うのに、犬やネコにとっては恥ずかしくも何ともないんですから……。

 もっとも、人間がそれを恥ずかしく思うのは、その行為中まったく無防備になるため敵に襲われやすく、襲われないよう隠れて行なううちに、恥ずかしいことと思うようになったのだという仮説を読んだことがあります。確かに、よく腑に落ちる解釈です。チョット反論が難しい理由付けです。 

2021年4月4日日曜日

三谷幸喜さんと銭湯6

 

こんなにも三谷さんの体験にこだわったのは、渡辺京二さんの名著『逝きし世の面影』が伝えてくれる幕末明治の日本におけるあの「裸天国」を考える際、とても参考になるように感じられたからです。

『逝きし世の面影』を読むと、日本人は天真爛漫であり、欧米人は社会的規範によって雁字搦めになっていたという結論を導き出したくなりますが、それはやはり間違いでしょう。裸に対する天真爛漫ともいうべき態度や、あるいは恥ずかしいという感情を、日本人も欧米人も、親や家族や社会から学習していたにちがいありません。

2021年4月3日土曜日

三谷幸喜さんと銭湯5

 

つまり、銭湯で裸を見られるのは恥ずかしいことではないという、あとから学習したことは、数十年の間にすっかり忘れ去られて、その前に学んだ人前で裸になるのは恥ずかしいことだという感情に支配されることになるのでしょう。

たとえ赤ん坊のときから銭湯だったとしても、数十年間行かないうちに、銭湯では裸が当たり前だという感情が薄れ、裸は恥ずかしいものだという感情がその部分を侵食していくのではないでしょうか。しかも銭湯に一度も行かない数十年の間、裸は恥ずかしいものだという感情を毎日毎日学習し続けるわけです。

2021年4月2日金曜日

三谷幸喜さんと銭湯4

 

そうではないでしょう。羞恥心は学習される感情だからだと思います。人に裸を見られることは恥ずかしいことだということを、現代人は幼児のときから学習します。やがて銭湯に行くようになると、裸は当たり前田のクラッカー――またまた出てしまいましたが――で、恥ずかしいことではないということを学びます。

しかし後から学んだことは忘れられやすいものです。昔のことはよく覚えているのに、最近のことはほとんど忘れているという僕の経験からいっても、これは確かです。「オマエの経験がナンボのもんじゃ」というヤジが飛んできそうですが、多くの人が経験している真理ではないでしょうか。

2021年4月1日木曜日

静嘉堂文庫美術館「春のフルート四重コンサート」4

 


今日、クァチュオール・アコルデの素晴らしい演奏を聴きながら、それを改めて確信したことを述べた後、このような美しい音楽、諧調豊かな演奏にしばしのあいだ身をゆだねれば、おのずと免疫力も高まって、コロナになんか罹らなくなるにちがいと言って〆にもっていきました。我ながらうまい〆だったかな() 

アンドルー・ワイル博士も、同じようなことを名著『癒す心、治る力 自然的治癒とは何か』に書いていたように思いますが……。

もちろん、来年10月新たにオープンする明治生命館新ギャラリーのことも披露しました。明治生命館のホワイエをお借りするわけですから、少なくともオフィスアワーにミュージック・コンサートを開くことはむずかしいかもしれません。しかしクァチュオール・アコルデの皆さんには、ぜひそこで再演をお願いしたいと思わせる今日の演奏会でした。

そして最後に、チャッカリ「饒舌館長」なるブログの宣伝までやっちゃった饒舌館長でした()

追悼 山田五郎さん4

琳派とグスタフ・クリムトの関係について、スライドを使いながら分かりやすく説きつつ、「古典」の重要性を指摘する山田 五郎 さんに、改めてオマージュを捧げたい気持ちになりました。ところが、その講演タイトルは「冷酒 ひやざけ と古典は後で効く」――さすがにうまいのを考え出されるなぁと感...