2024年6月6日木曜日

出光美術館「出光佐三、美の交感」4

 

実はそのときも、この放菴筆「大宰帥だざいのそち大伴旅人卿讃酒像」をイメージとして使わせてもらったように思います。中西進さんの『万葉集<全訳注原文付>』により、改めてはじめの5首をアップしておきましょう。

しるしなき物を思はずは一杯ひとつきの濁れる酒を飲むべくあるらし

酒の名を聖ひじりと負おわせし古いにしえの大き聖の言ことのよろしき

いにしえの七の賢さかしき人どもも慾りせしものは酒にしあるらし

さかしみと物いふよりは酒飲みて酔泣えいなきするしまさりたるらし

言はむすべせむすべ知らず極まりて貴とうときものは酒にしあるらし


0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...