2019年5月2日木曜日

メトロポリタン美術館「源氏絵展」12


僕は「源氏絵展」をもう一度堪能したあと、隣の中国絵画室へ向いました。入り口には、大きく「渓山無尽」と印刷された額がかけてありましたが、その字はかのウェン・フォン先生の筆でした。

先生は中国絵画の碩学、僕が初めてお会いしたのは、1975年、山根有三先生を団長とする在アメリカ琳派作品調査にカバンモチとして参加、この「源氏絵展」が開かれているメトロポリタン美術館をお訪ねした時のことでした。その時の旅日記を、いま引っ張り出してきたところです。

その625日ジャスト9時に、僕たちは調査を開始させてもらいました。その前の晩は、島田修二郎先生を囲んで遅くまでおしゃべりをしたせいか、僕は寝坊をしてしまい、朝食を取る時間がありませんでした。その時の調査でもっとも印象深かったのは、鈴木其一の「朝顔図屏風」でした。作品の保存状態は決してよくなかったのですが……。


0 件のコメント:

コメントを投稿

出光美術館「復刻 開館記念展」2

本年は、皆様をこの展示室へお迎えする最後の 1 年となります。その幕開けを告げる本展は、 58 年前の開館記念展の出品作品と展示構成を意識しながら企画したものです。……開館記念展の会場を飾ったのは、仙厓( 1750 - 1837 )の書画、古唐津、中国の陶磁や青銅器、オリエントの...