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2024年5月7日火曜日

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」4

 

 しかし浜松図の原点は、『万葉集』巻1に選ばれる山上憶良の絶唱であるというのが私見です。「山上臣憶良やまのうへのおみおくらの大唐にありし時に、本郷くにを憶ひて作れる歌」という詞書きをもつ「いざ子ども早く日本やまとへ大伴の御津みつの浜松待ち恋ひぬらむ」がそれですね。中西進さんは「さあみんな、早く大和へ帰ろう。大伴の御津の浜の松も、その名のごとく待ち恋うているだろう」と現代語に訳しています。

大伴の御津とは、難波の御津ともいい、大伴の地にあった港で、難波宮のあった上町台地の一角ですが、位置は未詳だそうです。

何と気宇壮大なる一首でしょうか。この大らかな気分が、中世絵巻の画中画や、僕が大好きな里見家旧蔵伝土佐光重筆六曲一双屏風(京都国立博物館蔵)に代表される浜松図屏風に、通奏低音のように流れています。波の向こうの大地には山上憶良が立ち、遠く日本の浜松を思いやっているんです。


2024年5月6日月曜日

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」3

 

ところが訪ねてみると、512日が最終日になっているじゃ~ありませんか。つまり受講生が15日に僕の話を聞いたときには、すでに終っちゃっているんです。よく調べて計画を立てたはずなのに、またまたチョンボをやらかしていまいましたが、どうしようもありません。FBフレンドでもある島谷弘幸館長と畏友・朝賀浩さんに挨拶したあと、ゆっくりと拝見することにしました。

「僕の一点」は何といっても、海北友松の「浜松図屏風」ですね。『新潮世界美術辞典』に「浜松図」を求めると、つぎのように説明されています。

やまと絵系の画題で、海辺の松林を描く。海辺の景は平安時代の名所絵にしばしば描かれたが、伊勢(三重県)や摂津(大阪府・兵庫県)などの海岸を主題としながらも、場所の描き分けはほとんどなく、きわめて概念化されたものであったらしい。

2024年5月5日日曜日

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」2

 

 この新館開館記念展の第3期に当たるのが、312日から始まった「近世の御所を飾った品々」です。カタログに載る「ごあいさつ」の一部を、最初に掲げたというわけです。去年から新生「皇居三の丸尚蔵館」をお訪ねしようと思いながら、ついに今日まできてしまいました。

実をいうと、今年上半期、NHK文化センター青山教室で、下にチラシをアップしたような「魅惑の日本美術展 おすすめベスト6!!」という講座を開いています。その2回目、515日の回に「近世の御所を飾った品々」を選んだので、その準備を兼ねてお邪魔したのです。

魅惑の日本美術展 おすすめベスト6だ!!

講師
東京大学名誉教授・出光美術館理事 河野 元昭
カテゴリー

おすすめベスト6はこれだ!

日本は美の国です。美術のまほろばです。絵画彫刻工芸のシャングリラです。だからこそ、素晴らしい美術展がたくさん開かれ、老若男女を問わず多くの人々に感動を与えて止むことがないのです。それは文字情報とは異なる真の教養を高め、明日を生きるためのエネルギーを心に注ぎ込んでくれます。美術ブログでお馴染みの「饒舌館長」こと河野元昭先生が選ぶ2024年度日本美術展おすすめベスト6だ!で予習をしてから出かければ、もうカタログなんか買う必要はありません(!?)


2024年5月4日土曜日

皇居三の丸尚蔵館「近世の御所を飾った品々」1

 

皇居三の丸尚蔵館「開館記念展 皇室のみやび――受け継ぐ美―― 第3期 近世の御所を飾った品々」<512日まで>

平成元年(1989)、昭和天皇まで代々皇室に受け継がれた品々が、上皇陛下と香淳皇后により国に寄贈されたことを機に、それらを保存・研究・公開するための施設として、平成5年(199311月に、宮内庁三の丸尚蔵館が開館しました。その後も香淳皇后や各宮家からの品々が加わり、現在は約2万点の作品を収蔵しています。……令和5年(2023)、当館は開館30年を迎えました。収蔵品の増加と入場者の増大に対応するために施設の拡充をはかり、令和元年(2019)より新館の建設がすすめられ、その一部が完成しました。それとともに、組織が宮内庁から独立行政法人国立文化財機構へ移管され、館の名称も新たに「皇居三の丸尚蔵館」と変わりました。拡張工事は今後も引き続き、全館開館は令和8年(2026)を予定しています。新館の一部開館を記念して開催する本展では、当館を代表する収蔵品を、4期に分けて紹介いたします。

2024年5月3日金曜日

出光美術館「復刻 開館記念展」8

 

ネットで調べたら、「蘭陵の美酒」というお酒が売られていましたが、これは李白の「客中行」からヒントを得て、沖縄・石垣島の高嶺酒造所が醸しているリキュールでした。

チョッと脱線してしまいましたが、梅瓶はもともと花瓶じゃ~なく、酒器だったにちがいありません。下がかなりすぼまっていますから、お酒を入れてはじめて安定するのではないでしょうか。益荒男ぶりの吐魯瓶に対して、手弱女ぶりといった感じがします。吐魯瓶には辛口の男酒が、梅瓶にはふくよかな女酒がふさわしいのではないでしょうか。いずれにせよ、花瓶なんかにはもったいない!!と、誰でも思いますよね。

 ヤジ「誰も思わない!! そんなことを思うのはオマエだけだ!!

2024年5月2日木曜日

出光美術館「復刻 開館記念展」7

 

このような器形を一般に「梅瓶」と呼んでいます。梅を生けるのによく用いられた花瓶であるところから、梅瓶と呼ばれるようになったというのが通説のようです。しかしカタログ解説によると、中国の『源氏物語』ともいわれる長編小説『紅楼夢』のなかに、瓶に梅を生けて観賞するシーンがあり、それが「梅瓶」の由来になったそうです。

これが『金瓶梅』だったら、文字どおりピッタリだったような気もしますが……。先に蘭陵の美酒をたたえた李白「客中行」の戯訳を掲げましたが、『金瓶梅』はこの蘭陵の笑笑生なる文人が書いたことになっています。内容から考えても、笑笑生は蘭陵の美酒を一杯やりながら執筆したのかな?() 

2024年5月1日水曜日

出光美術館「復刻 開館記念展」6

 

  蘭陵らんりょう特産この美酒は 鬱金うこんの香りも芳かぐわしく

  あぁ玉杯になみなみと 注げば輝く琥珀色こはくいろ

  ご主人!! 旅するこの俺を 酔わしておくれ存分に……

  そうすりゃ他郷もふるさとも なくなっちゃうさ区別など

 もう一つ、影青――青白磁のゼッピンが出陳されています。「青白磁刻花渦文梅瓶」がそれです。先の「牡丹唐草文吐魯瓶」のような凝りに凝った文様ではなく、6筋の小さな櫛みたいな用具で、幾何学的というか、抽象的というか、リズミカルに渦文を全体に散らしたシンプルなデザインですが、これがまたすごくいい!! 

カエルも骸骨も踊り出す サントリー美術館・暁斎ワールドの迷宮へようこそ❣❣❣2

   仏画や歴史画に見て取れる高い絵画技術、 動物画に宿る生命力、戯画や風刺画に込められた機知と批評精神、そして妖怪や神仏の表現に見られる豊かな発想力 ―― 暁斎の筆は、時代の変化を映し出しながら、 良くも悪くも変わらない人間の本質 を、ユーモアをもって描き出しています。 イスラ...