この正面性と表裏一体の関係に結ばれていると思われますが、円空には素材である「木」の特性を最大限生かそうとする意思が見てとれます。木の垂直性はもとより、木目、年輪、さらには節までも円空彫刻のすぐれた魅力になっています。
あるいは生かそうなどという、浅はかな賢さかしらは円空になかったかもしれませんが、僕たちの眼にみごとな効果的利用と映ることは否定できません。ここには日本美術における素材の美しさをそのまま生かそうとする美意識、いや、それに素直に従おうとする美意識――饒舌館長のいう「素材主義」の伝統を見出すことができるでしょう。もっともこの問題については、以前アップしたことがあるように思いますが……。
ヤジ「確か日本食を代表する刺身や寿司も素材主義だというオチだったな!!」
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