先に渡部英喜さんの『漢詩花ごよみ 百花譜で綴る名詩鑑賞』から、春の草花にちなむ漢詩5首ばかりを戯訳で紹介しましたが、そのあと一杯飲みながら全51首に戯訳をつけて遊びました。そのベストワンは蘇東坡の「衛八処士に贈る」です。これまた春の詩、蘇東坡が左遷された先で衛八処士に20年ぶりで再会した喜びを詠んでいます。このような詩に深く感じ入るようになったとは――やはり年のせいかな(笑)
人生 会う機を失えば オリオン・サソリ座そっくりに
今日はうれしき夕方だ 一緒に灯下に居れるんだ!!
若年時代はすぐに過ぎ お互い鬢びん・髪かみごま塩だ
旧友 半ばはもう鬼籍 胸 熱くなる名を呼べば
二十年後に君が家 また上がるとは予期もせず
別れたときは君 独身 今は子どもが列をなす
父ちの友うやまいニコニコと 「小父さんどこから?」我に問う
答えぬうちに子どもらは 酒や飲み物 並べ立て
春韮はるにら採りに傘さして…… 炊きたてご飯にゃ粟あわも入いる
「こんな再会――めたとなし まずはグイーッと十杯を!!」
十杯やったがまだ酔わず 長き友情ありがとう
明日 山川を隔てれば 自他の俗事が翻弄ほんろうせん
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