たとえばピエール・フランカステルの『絵画と社会』<大島清次訳>(岩崎美術社)は、題名から社会学的芸術学の書かと錯覚しますが、実際は絵画における諸要素の関係や対立の在り様を分析した、いかにもフランス的な、あるいは構造主義的な美術書なんです。
僕も社会学的芸術学に色目を使い始めたころ、早速求めてみましたが、フランカステル先生にみごとハシゴを外されたような思いにとらわれました。5300円もしたのに(笑) それはともかく、美術史における方法論的趨勢は、社会学的芸術学よりも図像学イコノグラフィーへ、やがて図像解釈学イコノロジーへ移っていったように思われます。
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