嵯峨天皇「江頭の春暁」
山崎離宮は塵の世の 煩わしさから隔絶す
枕そばだて聞いている 古き関所の鶏とりの声
夜が寝間着ねまきを湿しめらせて 知りたり山に近きこと
旅寝を覚ます瀧の音ねに 渓たにに近きを悟りたり
早くも月は西方へ 流れに乗って傾きぬ
山の中では飢えた猿 暗い夜明けに鳴いている
季節も物の雰囲気も まだ春めいてはいないけど
汀みぎわの砂州さすの草だけは 茂ってやろうと構えてる
「僕の一点」は、やはり初めにあげた狩野山楽の彩管になる「牡丹図」「紅白梅図」の襖絵ですね。この豪壮華麗なるエネルギーに満ちた画面構成、それにもかかわらずいささかも失われていない豊かな叙情的感情、二つの対立する美意識が完全に溶け合って一つの個性美へ昇華していく不思議に幻惑されるの...
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