嵯峨天皇「左ひだりの金吾将軍藤ふじわらの緒嗣おつぐが『交野かたの離宮に過よぎりて旧むかし を感おもう作』に和す」
昔のことを偲びつつ もとの離宮に来てみると
あまりに寂しい有り様に 涙こぼれて濡れる襟えり
荒廃した村――家々の かまどの煙も絶え果てて
荒れた離宮の庭園に 雀や小鳥の声だけが……
歌舞にぎわったあの辺も 繁るイバラに覆われて
独りカズラに囲まれりゃ 懐旧の情いやまさる
以前と同じ花 咲くも 思い出 語る人いずこ?
空に浮く雲 望みつつ いよいよ痛む我が心
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