2023年11月30日木曜日

根津美術館「北宋書画精華」1

 

根津美術館「北宋書画精華」<123日まで>

 今年の秋、もっとも評判の高かい展覧会でしょう。少なくとも美術史業界では……。すでにご覧になった方もたくさんいらっしゃることと存じますが、改めてチラシのリードを引いておきましょう。

宋時代は中国書画史におけるひとつの頂点であり、その作品は後世、「古典」とされました。日本でも、南宋時代の作品が中世以来の唐物愛好の中で賞玩されたことはよく知られていますが、その前の北宋時代の文物も同時代にあたる平安後期に早くも将来されています。さらに近代の実業家が、清朝崩壊にともない流出した作品をアジアにとどめるべく蒐集に努めたため、より多くの重要作が伝わることになりました。

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...