2023年3月28日火曜日

出光美術館「江戸絵画の華 第2部」5

 

結句は「銅雀春深うして二喬を鎖とざさん」というのですが、チョット補わないと意味がとれません。岩波文庫『中国名詩選』によると、二喬というのは呉の喬玄が授かった二人の娘で、ともに絶世の美女であったそうです。

ですから、もしも魏の曹操(武帝)が呉の周瑜や喬玄を打ちやぶっていたら、その美人姉妹は曹操の愛妾にされていただろう――というわけです。実際は曹操が周瑜に大敗を喫してしまったので、のちに姉(大喬)は孫策に嫁し、妹(小喬)は周瑜に嫁したそうです。これを補おうとして戯訳を考えていたら、起承転結結みたいになっちゃいました。愛妾は現代っぽく「愛人」にしてみましたが……()

0 件のコメント:

コメントを投稿

東京美術『日本視覚文化用語辞典』3

  前回、東京国立博物館の特別展「蔦屋重三郎 コンテンツビジネスの風雲児」を紹介しましたが、実をいうと後期高齢者の僕には「コンテンツ」の意味がよく飲み込めませんでした。しかしこの辞典にはチャンと「コンテンツ」という項目があって、簡にして要を得た説明がなされています。しかも「マーシ...