2022年8月22日月曜日

夏休みと賛酒詩9

 


明・石濤「友人と夜飲す」

 敬亭山の広教寺 かつて会いしを思い出す

 君の話は自由無碍 騶衍すうえんみたいな舌をもつ

 今は白髪しらがで二人とも 翁おきなになってしまったし

 周りを見ても人気ひとけなく 冷たきことは鉄に似る

 菊の花咲くくさむらで 手を取り合って大笑い

 書画を勝手に観ていると 海も大河も空くうに帰す

 灯火とうかの光は闇をつき 白昼みたいに輝いて

 酒の香りは真っ直ぐに 兜率とそつの天宮へと届く

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